ランニング 競歩選手が走った場合の脚筋力の発揮と筋電図

2005年、こんな測定をしました。

【競歩選手(柳澤)】【大学院生】が、トレッドミルで時速7.5kmから時速24kmまでのスピードを「ランニング」、

右足の「大腿直筋」「外側広筋」「長内転筋」「中殿筋」「腓腹筋」「大腿二頭筋」

上記部位に電極を付けて筋電図にて、スピードの向上に伴い、各筋力をどれぐらい活用しているかを計測し比較してみた

 

【6つの筋肉の活動結果】

【グラフ比較】
スピードが遅い時の、使用している六ヶ所の筋肉のMVC(%)の幅が、競歩選手は12%で一般の大学院生は15%と大きな差異は見られない
しかし、スピードが速い時速24kmでは、
・ 使用している六ヶ所の筋肉のMVC(%)の幅が競歩選手の17%に対し、一般学生は26%と使用する筋肉の競歩選手の9%多くなり、使われている筋肉にバラつきがみられるようになる。
・ MVCの%が50%を超える筋肉が競歩選手は1箇所に対して、一般の学生は半分以上の4箇所と増加し、使われる筋肉のバラツキがスピードを上げることで不要な筋発揮となっており、身体が効率よく使えていない

 

【筋電図比較】

時速21㎞のランニング筋電図で、股関節屈曲時の大腿直筋の活動を比べると、(赤丸の部分)
〇大学院生の大腿直筋の活動はみられる
〇競歩選手の大腿直筋の活動は見られない

この結果。時速21㎞というかなり速いスピードでありながら、膝を上げる動作の時に大腿直筋によって上げるのではなく、
別の筋肉によって膝を上げているとうことと、上がる高さがかなり低いと推測される。
これらの事から、競歩の選手はランニングで脚部の筋力だけで無く、各部位の筋肉をバランスよく使用し、筋力を効率良く動かしているのではと考察される。

【まとめ】

競歩の動作を、ランニングに取り入れることで、

〇身体動作が効率的になるので、スピードを出しても使う筋力のバラツキが少なくなり、疲労が少なる可能性がある
〇足を持ち上げる動作で、大腿直筋を使って引き上げない・足の高さが低いので着地の衝撃が少ない

ということが、この結果から考察できる

 

 

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