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MGC 勝敗を分けたフォーム そして「速さ=強さ」ではない 設楽選手への評価の誤解と設楽選手の本当の凄さ
日本マラソン初の一発選考会、MGCは非常に盛り上がりました
沿道の人の数は、午前中スタートながら後半は人垣だらけ。。。
改めてマラソン人気は凄いなぁ、っと感じるに充分な声援でした。
勝負を分けたのは、「フォーム」
41km地点、大迫選手・中村選手・服部選手が2枠を3名で争ってました
https://www.youtube.com/watch?v=7oEPpnu-JSA
ここでは、服部選手が大迫選手に置いていかれ、
1位が中村選手、2位が大迫選手、3位が服部選手。
おそらく、多くの方はこのまま大迫選手が2位を死守すると思ったかもしれませんが
フォームをみると、大迫選手だけがフォームを崩してでも腕を振り
肩が大きく揺れて引けており、頭の位置も大きく動いてます。
もがいても、もがいても、スピードがでない、、、大迫選手はきっとそんな感覚だったでしょう
あれだけ上体がブレると体重が載った蹴り出しが出来ないので
スピードに乗れません。
スピードが出せたとしても、わずかな距離でしょう。
苦しみながらもフォームが崩れない、中村選手と服部選手。
上体が安定してフォームが崩れず
中村選手は逃げ切り、服部選手は大迫選手を抜き返すことができました。
自己記録ランク1・2位が2位以内に入れませんでした。
「速い=強い」ではないを証明した結果だったと思います。
これはどの陸上競技種目でもいえること。記録の良さは強さには直結しない
陸上競技の難しさでしょう
その難しさを感じたのは井上選手。
私もトップ争いをすると思っていました。
しかし、気持ちが空回りしてまったく本来の走りが出来てませんでした。。。
アジア大会で優勝もし、本番に強いという評価がありましたが
この敗戦で「安定感」という課題を浮き彫りにしました。
設楽選手は、異次元の走りを見せましたが
「レースを逆算して読む」ということが出来ていなかったように感じました。
さすがにハイペースで入り過ぎました、
天才ゆえの「この気温でもきっとなんとかなるだろう」という過信があったように感じます。
ネットでは、「世界と戦う心意気をみた!」とか
ハイペースをたたえるコメントが多いようですが、
現地で世界陸上・五輪も見てきた者からすれば、「世界と戦うレースの仕方ではない」
っと感じました。
タイトルが掛かる試合、つまり世界陸上・五輪は記録ではなく順位が重要
その試合で、最初から速いレースはほとんどありません。
世界陸上・五輪とも序盤で1㎞を3分ペースを切るレースはそうそうありません。
日本と同じく、高温多湿だった世界陸上北京大会では、最初の5㎞16分9秒でした。
ハイペースでいくのはあくまでも、寒い時期におこなわれる各国際都市で行われる
ベルリン・シカゴ・ロンドンなど主要大会の話です。
「彼は世界レベルのレースをした!」というのは誤解があると思います
そもそも、この大会は五輪の選考会ですから。。。
とはいえ、途中まで設楽選手だけが他の選手より気温が10度くらい低いところを
走っているのではないか?っと感じるほど涼しげでした。
暑さ対策もまったく出来ていなくて
給水は摂っても、飲む量が圧倒的に少なく。他の選手が暑さ対策で
氷をしっかり摂り、手に持ちながら走っているのに。。。
それで、この走りはやはり「天才」と感じさせるに充分でした。
MGCは非常に良い試みでした。
「速さ=強さ」ではない、それが証明できた試合だったと思います。